冷凍うなぎの温め方。まず、解凍しないでください。
冷凍のうなぎは、凍ったまま温める。これが正解です。
岐阜・郡上で炭火の前に立ち続けている地焼きうなぎ 嘉門が、うな重・蒲焼き・白焼き、それぞれの温め方をご案内します。うなぎ屋がふだん見ている「よくある失敗」まで含めてお伝えしますので、他店でお求めになったうなぎにも、そのまま通じる話です。
なぜ、解凍してはいけないのか
嘉門のうな重は、焼き上がったうなぎを、炊きたてのご飯ごと、その場で凍らせています。凍眠という急速凍結の設備で一気に温度を下げるので、焼きたての香りも、ご飯の水気も、閉じ込められた状態でお手元に届きます。
解凍とは、その閉じ込めた状態を、時間をかけてほどく工程です。
ゆっくりほどけば、うなぎの身とご飯から水分が抜け出します。解凍したとき、受け皿に溜まっているあの水が、まさにそれです。抜けた水分は、温め直しても戻りません。いちばんおいしい汁気を捨ててから、乾いたものを温めることになります。
ですから、閉じ込めたまま、一気に温める。
手間が減って、味も良くなる。この二つが同じ方向を向いている、めずらしい話です。
届いたら、まずすること
クール便で届きましたら、箱から出して、すぐ冷凍庫へ。−18℃以下で保存してください。
賞味期限は冷凍で約120日。嘉門ではお届けの時点で90日以上残るようにしてお送りしていますので、贈り物として受け取られた方も、慌てず、ご都合のよい日に召し上がっていただけます。
気をつけていただきたいのは冷蔵室です。冷蔵室は、解凍の待合室だとお考えください。入れた時点から、先ほどの「水分が抜ける時間」が始まっています。うっかり移してしまった場合は、その日のうちに召し上がるのがよろしいかと思います。
うな重の温め方(電子レンジ・三手順)
袋のままでは温められません。折箱ごと、袋から出してください。
蓋は必ず被せてください。蒸気が逃げずご飯がふっくら仕上がりますし、たれの飛び散りも防げます。蓋がないと、たれが漏れることもあります。
二膳ある場合は、手間でも一膳ずつ。二つ同時では熱が分かれて、どちらも中途半端になります。
温め上がったら蓋を器の下に敷いて(熱いのでご注意ください)、付属の追いタレを回しかけます。お好みで、郡上・佐藤農園の粉山椒をひとつまみ。
たれは、温める前ではなく後です。先にかけると、身に染みるより早くたれだけが焦げてしまいます。仕上げの一回しで、香りが立ちます。
中心に冷たさが残っていたら、10秒ずつ足してください。一気に1分足すと、今度は身が硬く締まります。うなぎは、行き過ぎてからでは戻せません。
蒲焼き・白焼きの温め方(湯煎)
こちらも凍ったままです。真空袋のまま、沸かした湯に入れてください。袋は開けません。うなぎの脂と香りを、湯に逃がさないためです。
オーブントースターをお使いいただくこともできます。ただし、この記事では加熱時間を書きません。トースターは機種による差が大きく、数字を鵜呑みにすると焦げるからです。火のそばを離れず、様子を見ながら温めてください。うなぎは焦げる直前がいちばん香ばしく、その一歩先が失敗です。
白焼きは、たれを塗らずに温めてください
蒲焼きの癖でたれを塗って加熱される方がいらっしゃいますが、白焼きは何も塗らずに温めます。
温まったら、まずはお塩だけで一口。それから、わさび、酢橘、畑中商店のたまり醤油と進んでください。わさびをたまり醤油に溶いても結構です。うなぎそのものの甘みが分かるのは、白焼きだけです。
よくある失敗、四つ
いちばん多い失敗です。もう解凍してしまった場合は、表面の水気を軽く拭き取ってから、いつもより短めに温めてください。
たれが飛び散り、ご飯の表面が乾きます。蓋を被せるだけで防げますので、ここは省かずに。
身が硬く締まってしまいます。足りない方から近づけるのが鉄則です。10秒ずつ、様子を見ながら。
白焼きは塩とわさびで召し上がるものです。たれは蒲焼きのために取っておいてください。
よくいただくご質問
まず短めに温めて、足りない分を10秒ずつ足してください。500Wなら少し長く、700Wなら少し短くなりますが、機種による差がありますので、数字よりもご自身の目でお確かめいただくのが確実です。足りない方から近づける、これだけ覚えていただければ失敗しません。
おすすめしません。凍らせ直すあいだに、もう一度水分が抜けてしまいます。解凍してしまったら、その日のうちに温めて召し上がってください。
冷凍便ですので、受け取っていただけないと味に関わります。お届け日を先様のご都合に合わせて指定できますので、ご注文時にご相談ください。のしもお付けいたします。
温めた後の、もう一歩
そのまま召し上がっても十分ですが、一尾を最後まで愉しむ手を、店からいくつか。
- まずは、うな丼で
- 炊きたてのご飯に載せ、たれをひと回し。粉山椒、刻み海苔、わさびを少しずつ変えながら。
- 〆の愉しみ|ひつまぶし
- 細かく刻んで三膳に。一膳目はそのまま、二膳目は薬味、三膳目に出汁をかけて。
- 酒の肴に|う巻き玉子
- 刻んだ蒲焼きを卵で巻くだけで、店の一品になります。
- まずは、お塩で
- 何もつけない一口、塩だけの一口。ここで素材の甘みを確かめてください。
- 店主のいちばん|卵かけご飯
- ご飯に出汁醤油をひと回し、卵を落として、白焼きを載せる。大将が家でいちばん食べている食べ方です。
- 〆の愉しみ|白焼き茶漬け
- わさびを添えて、熱い茶か出汁を注ぐ。脂が上品にほどけます。
うなぎは、焼けるようになるまでに何年もかかって、焼いてからは数分で決まる食べものです。嘉門は岐阜・郡上大和で、蒸さずに炭火で直に焼く「地焼き」を守っています。皮はパリッと、身はふっくら。その状態のままお届けするために、凍眠を使っています。
温め方さえ間違えなければ、店でお出ししている一膳が、そのままご自宅の食卓に出ます。どうぞ、解凍せずに。
嘉門の冷凍うな重を見る岐阜県郡上市大和町徳永164番地2