焼く日まで、うなぎは酒蔵の水で泳いでいます

焼く日まで、うなぎは酒蔵の水で泳いでいます

嘉門のうなぎは、店に届いたその日には焼きません。 焼く日までの2〜3日を、酒蔵と同じ水の中で泳いで過ごします。

うなぎと酒蔵。あまり結びつかない組み合わせかもしれません。今日は、嘉門のうなぎが焼かれる前に過ごす水の話と、その水の名前に残る、郡上大和の古い歌の話をさせてください。

仕入れたその日には、捌かない

うなぎの世界には「立て場(たてば)」という言葉があります。仕入れたうなぎを、しばらくきれいな水に入れておく場所のことです。うなぎはもともと川の魚で、泥の臭いを持っていることがあるからです。

嘉門でも、仕入れた国産のうなぎに、その日のうちに包丁を入れることはしません。焼く日までの2〜3日、きれいな水で泳がせます。清らかな水が臭みを抜き、味を澄ませてくれるのです。

この数日を過ごす水が、嘉門の場合は少し変わっています。

酒蔵が、山から引いている

嘉門と同じ郡上市大和町徳永に、平野醸造という酒蔵があります。郡上の地酒「母情」の蔵元です。

平野醸造は「古今伝授の里の水」を山から蔵へ引き込み、酒の仕込みだけでなく、米を洗うのにも道具を洗うのにも、すべてこの水を使っています。「不老長寿の水」とも言われる水です。

嘉門で「古今伝授の水」と呼んでいるのは、この水のことです。うなぎは、酒と同じ水の中で焼く日を待っています。

この水のこと
引いている
平野醸造(郡上市大和町徳永)
蔵での使いみち
酒の仕込み、米洗い、道具洗い
嘉門での使いみち
焼く日までの2〜3日、うなぎを泳がせる

「古今伝授」は、和歌の秘伝のこと

水の名前にある「古今伝授(こきんでんじゅ)」とは、『古今和歌集』の読み解き方と秘伝を、師から弟子へ伝えることをいいます。

この形を確立したのが、中世に郡上を治めた東氏の九代目、東常縁(とうのつねより)です。1471年、常縁は連歌師の宗祇にこの秘伝を伝え、「古今伝授の祖」呼ばれるようになりました。

常縁には、こんな話も残っています。応仁の乱のころ、居城を攻め落とされた常縁は、和歌を十首詠んで相手に贈り、戦わずに城を取り戻したというのです。

大和町が「古今伝授の里」と呼ばれるのは、代々和歌の家柄だった東氏が、この地を拠点に郡上を治めていたからです。

歌で城を取り戻した里の水で、
うなぎは焼く日を待っています。

そして、蒸さずに焼く

水の中で数日を過ごしたうなぎに包丁を入れ、蒸さずに、炭火で直に焼き上げます。地焼きです。

お取り寄せのうなぎも同じ手順です。ご注文を受けてから焼き、焼きたてをすぐに急速冷凍して、ご自宅へお届けしています。蒸さない地焼きを、どうやって冷凍で届けているのかは、こちらに書きました。

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地焼きを、冷凍で届けるということ

嘉門は岐阜・郡上大和で、蒸さずに炭火で直に焼く地焼きを守っています。郡上大和の水で数日を過ごしたうなぎを、焼きたての香りのまま、ご自宅へお届けしています。

郡上へお越しの折には、同じ水で仕込んだ平野醸造のお酒と一緒に、座敷でも召し上がってみてください。

嘉門のうなぎを見る
地焼きうなぎ 嘉門
岐阜県郡上市大和町徳永164番地2
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